ハーバードの「世界を動かす授業」
2010/11/16
リチャード・ヴィートー教授の「ハーバードの世界を動かす授業」を読みました。
世界を大きく8つに分けて概観しており、非常に参考になりました。
その中で日本の事にも書かれていますが、現在の経済情勢について考えるためにも過去の歴史や経緯を認識し、連続した理解を心がける大切さを学びました。
最近の為替、特に円ドルの動きについてもその場の情勢によりいろいろな予測をするアナリストが多いですが、教授は円という通貨についての特徴をまず明確にしています。
「円高は実体経済に大きな打撃を与え、通貨を下落させる方向に働くにもかかわらず、海外からの配当、利息の受け取りに伴う経常収支が黒字基調を保つため、通貨価値を引き上げる方向に作用するのだ。したがって円がどちらへ進むのかを予測することが非常に難しい。日本経済を目の当たりにした人は、円は110円から115円まで弱まるだろうと予測するが、貿易収支や、その力強い産業に注目すれば、円は85円~80円ほどにまで上昇するとも考えられる。」
為替に関しては今回の米国の動きのように日本だけの要因で動くわけではないのですが、今後資産運用を考えている人にとっても参考になるのではないでしょうか。